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公正証書遺言とは

  • 文責:代表 弁護士 西尾有司
  • 最終更新日:2022年4月1日

1 公正証書遺言とは何か

遺言の大部分は、自筆証書遺言か公正証書遺言で作成されます。

自筆証書遺言が、遺言者自身が自書して作成する遺言であるのに対し、公正証書遺言は、公証人の関与のもと、公正証書の形で作成される遺言になります。

公正証書は、公的資格者である公証人によって作成される文書であり、法的行為をした事実を証明する文書として作成されます。

このように、公的資格者によって作成される文書ですので、信頼性の高い文書であるとされています。

公正証書遺言についても、一般的には、自筆証書遺言と比較して、有効性が争われにくいです。

2 公正証書遺言の作成方法

公正証書遺言は、おおむね、以下の手順で作成されます。

⑴ 事前打合せ、必要書類の提出

公正証書は公的資格者により作成されるものとなりやすので、作成までに準備が必要になります。

このため、実際に公正証書遺言を作成するに先立ち、遺言内容について、公証人との事前打合せを行うのが一般的です。

公証人との事前打合せは、公証役場に赴き、公証役場で公証人と協議して行うこともあれば(要事前予約)、公証役場に遺言書案を送付して行うこともあります。

また、事前に公証役場に必要書類を提出しておくことが多いです。

これは、公証人が、必要書類の内容を確認して、公正証書の文面を作成することが多いためです。

必要書類は、遺言内容にもよりますが、以下のとおりです。

・遺言者の印鑑証明

・財産を引き継ぐ人の戸籍や住民票

・不動産の登記簿謄本

・不動産の評価証明書

上記を経た上で、公正証書遺言を作成する日が設定されることとなります。

⑵ 作成日当日の準備

公正証書遺言を作成する際には、遺言者の実印を持参する必要があります。

他には、遺言者の本人確認書類(免許証、健康保険証、マイナンバーカード等)のいずれかも持参する必要があります。

当日は、証人2名を同行する必要があります。

もっとも、証人を準備することが難しい場合には、公証役場と提携している人に日当を支払い、証人になってもらうこともできます。

⑶ 作成の手続

作成際には、遺言者が公証役場に赴きます。

遺言者が入院中、施設入所中等の場合には、遺言者が公証役場に赴くことが難しいこともあると思います。

このような場合には、出張費が発生しますが、公証人に、病院や施設までの出張を依頼することも可能です。

公証人が遺言者の本人確認を行うと、公証人が遺言の内容を読み上げ、遺言者に内容を確認する流れになることが多いです。

そして、遺言者が口頭で内容に相違がないとの回答を行います。

その後、遺言者が公正証書遺言の正本に署名し、実印を押印し、証人も署名押印を行うと、作成の手続が完了することとなります。

3 公正証書遺言の特徴

公正証書遺言は、公的資格を有する公証人により、上記のような手続を経て作成されるため、一般的には信頼性が高いと考えられています。

このため、後日、遺言の有効性が争われることが少ないですし、形式面の不備も生じ難いです。

他方、公証人に作成を依頼することとなるため、公証人に手数料を支払う必要があります。

手数料の額は、財産額等によって変わります。

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