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相続税申告の流れ

  • 文責:代表 税理士 西尾有司
  • 最終更新日:2022年10月12日

1 相続税申告の進め方

相続税申告は、①課税対象になる財産を把握し、②個々の財産の評価額を算定し、③特例適用等を検討の上、申告書を作成するという流れで進められます。

ここでは、それぞれの段階で何を行うかについて、説明を行いたいと思います。

2 課税対象になる財産の把握

課税対象になる財産は、被相続人が有していたすべての財産と負債です。

これらを1つ1つ網羅的に把握するには、適切な資料を取得し、内容を確認する必要があります。

取得すべき資料について、代表的な財産の種類ごとに説明すると、以下のとおりです。

⑴ 不動産

ア 固定資産税の納税通知書

不動産については、まずは固定資産税の納税通知書を確認します。

固定資産税の納税通知書には、被相続人が所有していた不動産が一通り記載されているからです。

固定資産税の納税通知書は、市町村ごとに別々に届きますので、複数の市町村に不動産を所有していた場合は、複数の納税を確認する必要があります。

被相続人が他の人と共有していた不動産についても、相続税の課税対象になります。

被相続人が共有していた不動産の納税通知書は、単独で所有していた不動産の納税通知書とは別に届きますので、それぞれを確認する必要があります。

固定資産税の納税通知書が見当たらない場合には、市町村役場で、名寄帳を取得します。

名寄帳にも、固定資産税の納税通知書と同じく、被相続人が所有していた不動産が一通り記載されています。

イ 登記簿謄本

固定資産税の納税通知書は、その年の1月1日時点で、被相続人が所有していた不動産が記載されています。

このため、1月1日以降に、被相続人が売ったり買ったりした不動産がある場合は、固定資産税の納税通知書の記載と相続時点で被相続人が所有していた不動産との間に齟齬が生じます。

相続時点で被相続人が所有していた不動産を正確に把握するためには、登記簿謄本を取得する必要があります。

また、共有不動産については、固定資産税の納税通知書には、被相続人が有していた持分が何分の何であるかは記載されていません。

被相続人が有していた持分を確認するためにも、登記簿謄本を取得する必要があります。

⑵ 有価証券

株式や投資信託、国債、地方債、社債については、証券会社が発行する取引残高報告書により、被相続人が有していた財産を一通り確認することができます。

取引残高報告書は、証券会社で申請を行うことにより、発行してもらうことができます。

相続の前後で株式数、口数が変動することも多いため、必ず、相続時点の取引残高報告書を作成してもらう必要があります。

⑶ 預貯金

預貯金についても、金融機関が発行する残高報告書により、一通りの所有財産を確認することができます。

残高報告書も、金融機関で申請を行うことにより、発行してもらうことができます。

やはり、相続時点の残高報告書を作成してもらう必要があります。

また、定期預金については、預入から相続時点までに発生した既経過利息も記載してもらうのが良いでしょう。

3 個々の財産の評価額の算定

次に、個々の財産の評価額を算定します。

中には、額面金額を転記するだけで良い財産もありますが、特別な評価方法を用いなければならない財産もあります。

代表的な財産の種類ごとに、評価方法の注意点を記載すると、以下のとおりです。

⑴ 不動産

土地については、路線価で評価を行う地域(路線価地域)と、固定資産評価額に倍率を乗じて評価を行う地域(倍率地域)があります。

路線価地域では、路線価に地積を乗じ、画地補正率等による修正計算を行うことにより、評価額の算定を行います。

画地補正率等による修正計算をどれだけ行えるかにより、路線価地域における評価額の算定結果は大きく異なってきます。

倍率地域では、固定資産評価額に倍数をかけることにより、評価額を画一的に算定することができますが、地積規模の大きな宅地等で評価した方が有利な場合、市街化調整区域内の雑種地の場合等、特殊な計算方法を用いるべき場合があります。

建物の場合は、固定資産評価額をそのまま相続税の評価額として用いることができます。

ただし、相続の直前にリフォームを行った場合には、リフォーム部分も評価を行うべきであることもあります。

⑵ 株式

相続日の終値、相続があった月の終値の平均値、相続があった月の前月の終値の平均値、相続があった月の前々月の終値の平均値のうち、最も低い金額が評価額となります。

平均値について、1円未満の端数がある場合は、切り捨てして評価することが認められています。

4 特例適用等を検討の上、申告書を作成する

相続税の申告については、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減、障害者控除、未成年者控除等、税額を減額する一定の特例が存在します。

これらの特例の適用の可否を検討するとともに、適用が可能な場合には、どのような条件を整え、どのような書類を準備すべきかを検討します。

その上で、申告書を作成します。

申告用のソフトがある場合には、ソフトに入力すれば、ある程度自動的に申告書を作成することができます。

もっとも、わずかな入力の差異により、相続税の算定結果は大きく異なってきますので、入力にあたっては、細心の注意を払う必要があります。

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