遺留分侵害額請求
遺留分とは
遺留分が問題となるのは,次のような場合です。
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被相続人は,遺言において,遺産の大部分を相続人Aに相続させるものとした。
そのため,他の相続人は,相続により,わずかな財産しか得られなかった。
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被相続人は,遺言において,遺産の大部分を相続人でない第三者Bに遺贈した。
そのため,相続人は,相続により,わずかな財産しか得られなかった。
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被相続人は,生前に,遺産の大部分を相続人Cに贈与した。
そのため,他の相続人は,相続により,わずかな財産しか得られなかった。
このような場合に,相続人は,わずかな財産しか相続できないことになるのでしょうか。
このように,遺言などにより,相続人がわずかな財産しか得られなかった場合には,相続人は,遺留分侵害額請求権を行使することにより,相続人の財産のうち一定部分(遺留分)を,自分のものにすることができます(ただし,被相続人の兄弟姉妹には,遺留分はありません)。
遺留分は,たとえば,相続人が配偶者と子ども2人である場合には,配偶者の遺留分は1/4,子どもの遺留分は1/8になるというように,割合で決められます。
権利の行使
遺留分の範囲は,相続財産の1/4というように明確な数値で表されますので,一見単純そうですが,実際はそうではありません。
遺言で遺産の大部分を受け取ることになった側は,他の相続人が遺留分の主張などを行ったとしても,これに取り合わず,どのような財産があるのかを明確にしないことがあります。
このような場合には,早期に相続財産の全容を把握した上で,法的主張を行う必要があります。
また,生前贈与が行われている場合には,贈与された財産も遺留分算定の際に考慮されます。
このような場合には,生前贈与の有無について調査を行った上で,法的な主張を組み立てる必要があります。
こうした調査,法的主張を大雑把にしてしまうと,遺留分侵害額請求によって得られる財産が少なくなってしまいます。
さらに,遺留分減殺後も,相手が交渉に応じないこともあります。
このような場合には,調停や訴訟の場で,解決を図らざるを得なくなります。
当法人のサポート
当法人は,お客様の権利行使をサポートいたします。
相続財産の全容や生前贈与の有無などについては,預貯金の取引履歴を取得することなどにより,必要な調査を行います。
調査結果を精査した上で,可能な法的主張を検討させていただきます。
また,調停や訴訟にまで至った場合にも,代理人として事案の解決に当たらせていただきます。